海と日本プロジェクトinしまね実行委員会は、韓国済州島のテレビ局、済州MBC報道部と共同で、韓国・済州島と島根県、海に面した両地域の若者たちによる、海をテーマにしたオンライン交流会「済州・島根 海の未来羅針盤~若いチカラが拓く海の未来~」を11月12日(土)に開催し、島根県から9人、韓国済州島から11人が参加しました。
参加したのは、島根県から「出雲西高等学校インターアクトクラブ」、松江市を中心に海洋ごみ問題などに取り組む団体「しまねLINK」。韓国・済州島からは、日本語を学ぶ高校生「済州外国語高等学校」、フリーダイビングをしながらごみを拾う団体「diphda済州」です。
事前に設定した3つのテーマ「海洋ごみ」「海洋文化」「海の食」について、参加する学校や団体が、今年8月から10月まで調査などを行い、まとめた内容をオンライン交流で発表し、意見を交換しました。
深いつながりを確信!海の文化
海の文化に関する発表では、出雲西高校インターアクトクラブが、島根県にある韓国と関わりある地名や神社について発表しました。島根県の海岸部には、「韓」の漢字が入った神社、韓竈(からかま)神社や、韓神新羅(からかみしらぎ)神社などがあり、古代朝鮮語で特徴が表されているといわれる十六島(うっぷるい)などの地名があります。それらについて解説をしながら写真も使って発表しました。
済州外国語高等学校は、ユネスコ世界無形文化遺産に選ばれている済州の海女について、その歴史や日本とのつながりについて、勉強中の日本語を使って発表しました。
しまねLINKは、松江市の海岸部で約100年前から続く奇祭「ガッチ祭り」について、動画を交えて発表しました。
興味津々!ローカルな海の食
海の食文化についての発表では、各地域で食べられてきた郷土料理などについて発表しました。
出雲西高校は、主に島根県西部の家庭で作られるカサ貝を使った炊き込みご飯「ボベ飯」について発表しました。しまねLINKは、松江市の海岸部で食べられているハマボウフウの料理について発表しました。
済州外国語高等学校は、豚肉の出汁に海藻が入ったスープ「モムクク」について発表しました。モムククには、済州で貴重品だった豚肉を分かち合いながら食べる精神が込められていると説明を受け、島根の参加者は、モムククに込められた精神が印象的で感動したと感想を話しました。済州島の参加者からは、済州にもカサ貝はあるが、炊き込みご飯にして食べることはないので、食べてみたいと話しました。
共通ルールで調べた海洋ごみ 解決策も発表
海洋ごみについての発表では、しまねLINKと出雲西高校、diphda済州が、8月から10月に、松江市、出雲市、済州島の海岸で、各団体が海洋ごみを調査した結果について発表しました。100m×10mの範囲で無作為にごみを拾った後、日本、朝鮮半島、中国、ロシア、その他の国籍別に仕分けて割合を出した結果について発表。それぞれの地域には、日本や朝鮮半島、また中国などのごみが流れついていることが発表されました。そして、ごみの削減のために行っている活動など発表し、意見を交換しました。しまねLINKは、海洋ごみ削減の啓発活動として、海洋ごみアートの制作や、海洋ごみや人口の減少など海岸部の問題について、楽しみながら学ぶカードゲームを制作したことを発表し、出雲西高校は、海岸でのごみ拾い活動に加え、街頭での啓発活動を行ったことを発表しました。diphda済州は、SNSを活用した活動人数の確保や、ごみを拾うとクーポンが貰える仕組み作りなどについて発表しました。
あっという間の1時間 更なる交流を!
あっという間に予定の1時間が過ぎ、最後は画面を通して記念撮影を行いました。
出雲西高校の生徒は、もっとコミュニケーションを取り一緒に料理を作ったら楽しいと思う、と今後の交流に期待を膨らませました。しまねLINKのメンバーは、これをきっかけに海の環境を守る活動を一緒にやりたいと、国境を超えた活動の広がりに期待を寄せました。済州外国語高等学校の生徒は、島根のことはあまり知らなかったが、今回の交流でとても興味がわいたので、日本を訪れた際には、今回知った料理を食べたりローカルな祭りに参加してみたいと感想を話しました。
今回のオンライン交流により、お互いに親しみを感じながら理解が深まり、海洋ごみ問題の共有や解決方法について意見を出し合うことで、交流の発展を予感させる結果となりました。