海と日本プロジェクトinしまね実行委員会と一般社団法人地域みらい創造センターは、鳥取県米子市皆生の温泉旅館・松涛園で1月22日(日)に、小学生を対象としたお仕事体験を開催しました。
このプログラムは、観光客も多く訪れる旅館での鮮魚盛り作りや焼きガニ作りなどを通し、料理人の技と、地元で採れた海産物の味を体験することで、海に関係する職業への興味や関心を持ってもらうことを目的としています。
お仕事を体験するのは、米子市皆生の温泉旅館、松涛園です。冬の時期、山陰の鮮魚や松葉ガニを目当てに観光客が多く訪れます。この日は、旅館ならではの本格的な鮮魚盛りと、焼きガニ作りに挑戦します。
今回の体験に参加したのは小学1年生から5年生の5人。入社式からお仕事が始まり、今日のお仕事内容について松涛園の湯村社長から説明を受けました。
最初に、魚の捌き方を見学しました。鮮魚盛りに使用する魚の種類は、ブリや鯛、アジや甘エビです。調理長がこれらを次々に捌き、刺身を素早く豪華に盛り付ける技を見学しました。子供たちは、「アジを3枚におろして串で刺す盛付けはすごい」「すごく迫力あった」「魚によって捌き方が違うのを知った」などと、熟練の技に感動した様子でした。
子供たちも刺身の盛付けに挑戦し、美しい鮮魚盛りを作ろうと工夫しましたが、プロの料理人のようには上手くいかず、「簡単かと思ったけど難しかった」「プロの盛り付けはすごくキレイだと思った」といった感想が聞かれました。
山陰の冬の味覚の王者と称される松葉ガニ(ズワイガニ)と、主に加工品などに使われる紅ズワイガニの違いについても学びました。ズワイガニと紅ズワイガニは茹でると同じ色になりますが、生きている状態では甲羅の色が違い、生息域も違うことを、パネルなども使いながら学びました。子供たちは、茹でガニと焼きガニを試食し、調理法による味の違いも知りました。
そして、なんと山陰の冬の味覚の王者、松葉ガニ(ズワイガニ)の焼きガニを試食しました。子供たちは「すごくおいしい」と松葉ガニの味に舌鼓を打ち笑顔が絶えません。その様子を見た料理長は「こんなに美味しい恵みを与えてくれる海を、いつまでも綺麗な海として守ろうな」と、子供たちに話し掛けました。子供たちの表情からは、それを自分ごととして捉えようする真剣さが伝わってきました。
修了式では、お仕事を頑張った5人が、“お給料“として松涛園の利用券を受け取りました。ズワイガニと紅ズワイガニの違いやその味、魚のさばき方や鮮魚盛りの技術などを学び、子供たちからは「美味しかったので旅館に泊まって海の幸をもっと食べたい」「美味しい魚が住む海をいつまでも守っていきたい」などの感想が聞かれました。松涛園の湯村社長は、「旅館の料理に興味を持ってもらえてうれしい。山陰ならではの味も覚えてもらい、将来の仕事や食生活にいかして欲しい」と、子供たちに話しました。