大田市温泉津町に伝わる民話「影ワニ」が、未来に語り継ぎたい海にまつわる民話に選ばれ、大田市が「海ノ民話のまち」に認定されました。
海にまつわる全国の民話をもとにアニメを制作し、子どもたちに伝える活動に取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」実行委員会は、「影ワニ」が伝わる大田市を「海ノ民話のまち」に選び、同プロジェクトの柴田英知プロデューサーが7月25日に、大田市の船木三紀夫副市長に認定書を贈呈しました。
「海ノ民話のまち」認定は、海と日本プロジェクトの一環として2018年から行われていて、今年度の認定には全国から15の地域が選ばれました。
「影ワニ」は、大田市温泉津町に伝わる民話です。その昔、温泉津町周辺ではサメのことをワニと呼び、この近海には「影ワニ」と呼ばれる怪魚がいました。影ワニが出るといわれる凪の日は漁に出てはならない、という掟がありましたが、若い漁師がこの掟を破って漁を行い、恐ろしい目に合うという物語です。
リモートで出席した同プロジェクトの沼田かずみゼネラルプロデューサーは、「一般的に凪の日は漁に適していると思うが、なぜ「凪の日に漁に出てはならない」という掟が伝えられているのか興味深い民話だと思った。」と、影ワニの認定理由についてコメントしました。
民話には、海面に影が映るような凪の日に、影が長くなるほどの夕刻まで漁をしていると怖い目にあうと、乱獲への警鐘が込められています。
大田市の船木副市長は、「日本各地の民話から影ワニが選ばれたことを、大変嬉しく思い感謝している。アニメを通して子どもたちには、物語に込められた先人の教えや想いなどを考えてもらいたい。」と認定を歓迎しました。
認定書を贈呈した柴田プロデューサーは、「アニメを活用してもらい、子どもたちに地域の海や海洋問題に関心を持ってほしい。」と話しています。
「影ワニ」は今後アニメ化され、地元で上映会が開催されるほか、インターネットで公開されることになっています。