一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトinしまねは、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み「日本さばける塾 in しまね」を、松江市鹿島町御津地区の若手漁師集団、御津フィッシャーマンズファクトリーと御津地区の皆さんの協力のもと、9月30日(土)に開催し、10組24名の親子が参加しました。
朝どれ鮮魚でお刺身&アラ汁作り
参加した10組の親子は、当日の朝獲れた魚を使って、刺身づくりに挑戦しました。さばいた魚は、島根半島でこの時期によく水揚げされるイサキとアカヒラ、ハマチの3種類です。参加者は、講師となった地元漁師から、魚さばきのレクチャーを受けると、親子で刺身作りに挑戦。講師からマンツーマンで手ほどきを受けたり、親子の二人羽織状態で魚をさばくなど、思い思いのスタイルで刺身を完成させました。
その後、地元の女性たちが講師となり、さばいた魚のアラでアラ汁を作りましたが、御津の多くの家庭では、エラ以外の内臓は全て利用するということで、胃や腸の内容物を丁寧に取り出してアラ汁にしました。朝どれ鮮魚が手に入る漁師街ならではのアラ汁です。
生き物が食べ物になるまでを体験
タコ漁も体験しました。御津フィッシャーマンズファクトリーでは、夜明け前に水揚げを行う大敷網漁を主な漁としていますが、昼間に行う漁として、港付近でタコ漁を行っています。
漁船に乗ってタコカゴの設置場所に到着した参加者は、カゴを引き上げる作業を体験しました。
重たいカゴを合計15個程引き上げましたが、獲れたタコは3匹でした。タコをカゴから取り出す時には、吸盤が吸いつき痛いほどで、子どもたちからは歓声が上がりました。
その後、タコをハサミで突いて神経を切断する絞め方を見学した後、タコ飯を作りを体験。生きたタコがタコ飯になる、まさに生き物が食べ物になるまでを体験しました。
お刺身、アラ汁、タコ飯のお昼ご飯
自分でさばいた刺身と、魚を余すことなく食べきる漁師街ならではのアラ汁、自ら獲ったタコのタコ飯でお昼ご飯タイム。「様々な体験を通して作った料理はとても美味しい」と感想が聞かれました。特に内臓入りのアラ汁は「コクがあって美味しい」と、お代わりする参加者が続きました。
参加した小学生からは「さばくのは難しかったけど、できてよかった」「漁師さんの仕事の大変さがよくわかった、もっと感謝して魚を食べたい」「体験を通して命を頂くということがよくわかった」などの感想が聞かれました。
保護者からは「海の大切さ、地元の魚を食べることの大切さを感じた」「苦手意識があったが、今後は積極的に魚をさばきたい」などの感想が聞かれました。
体験に協力した御津フィッシャーマンズファクトリーのメンバーは「今回は消費者の皆さんと繋がる貴重な機会となった。今後もこのような活動を続けていきたい」と、活動の広がりに期待を寄せました。
御津フィッシャーマンズファクトリーは、10月15日に東京・二子玉川ライズ中央広場で開催されれる「しまね暮らしマルシェ」に出展することになっていて、今回の体験についても発信する予定となっています。