一般社団法人 海と日本プロジェクトinしまねは、7月29日(土)から31日(月)に小学5・6年生が、島根県の離島である隠岐郡海士町を中心に、隠岐特産のサザエやアワビなどの貝について学びながら、美しく豊かな海の保全について子どもたちが考える体験学習「貝の王国 防衛隊!」を開催しました。
”貝の王国”と言われる隠岐諸島で、参加した子どもたちが、貝を育む海洋環境や貝と関わりの深い海藻、貝に忍び寄る危機について、観察やお仕事体験、無人島でのアクティビティなどを通して学び、海の環境を守る意識を持ち、自ら海を守る行動に移すことを目指しました。
144名の応募の中から選ばれた24名が参加した本イベント。最大の魅力は隠岐の無人島で貝の王国を全身で体験できること。隠岐はサザエやアワビ、ヒオウギ貝など国内有数の貝の産地です。その豊富な貝類のエサとなっているのが、日本屈指の海中林・豊富な海藻類です。
美しく豊かな海を体感!無人島・小森島
貝、海藻その両方を体験するためチャーター船で向かったのが、海士町の小森島です。参加者はシュノーケリングや箱メガネで、貝や海藻を観察。40分間でサザエやボベ貝など19種類もの貝を発見しました。またサザエ等を獲る伝統漁法カナギ漁をパッククラフトに乗って間近に見学し、資源保護の大切さも学びました。
貝と海藻の養殖は難しい
参加者が訪れた西ノ島町の島根県栽培漁業センターは、イワガキやマダイなどの稚貝や稚魚の育成を行っていて、イワガキの稚貝が植物プランクトンで育成されていることを見学しました。その一方で、隠岐特産サザエやアワビはワカメなどの海藻を食べているため、養殖コストがかかることなどから養殖が難しいことを学びました。
また海士町にある岡部株式会社応用藻類学研究所では、貝のエサとなる海藻の養殖について職業体験。ワカメの種苗をロープにくくり付け、海に沈める作業を体験したり、様々な海藻類に研究所で触れました。
2日目の昼食には、海岸で自ら採集したボベ貝と、自分たちで下ごしらえした隠岐特産の海藻アカモクのスープと、地域の人たちが作ってくれたアワビご飯。夕食はサザエ、イワガキ、ヒオウギ貝をメインにしたバーベキューを堪能。「今まで食べた貝の中で一番美味しかった!」「貝は好きじゃなかったけど、食べてみたら食べられた」など、体験を通じて貝への親しみが深まったようです。
隠岐の海は美しく豊かですが、隠岐にも地球温暖化や海洋汚染により、海藻が減少して磯焼けが起こり、貝やその他の生物にも危機が迫っていることを知った子どもたち。
五感を使って感じた隠岐の豊かな海を守るために自分に何が出来るのか?体験の最後に、貝や海の環境を守るために出来ることは何かを考えました。
節電やリサイクルなど、子どもたちが日ごろから取り組んでいることに加え、給食の残りの有効活用、地産地消や就寝前のスマホ禁止、今回の学びを広めるなど、様々な意見が飛び出しました。
子どたちの感想は
3日間の体験で最も印象に残っていることとして、多くの子どもが無人島でのシュノーケリングを上げました。シュノーケルと水中スクーターで海中さんぽ。海底の緑や白、赤など様々な色をした海藻や、サザエ・アワビに代表される隠岐の貝類を観察したことは「これまで見たことがない世界が広がっていた!」「本当にキラキラしていて別世界。また来たい!」との声が聞かれました。