美保関灯台利活用コンソーシアムは、”灯台モーニング”という新しい観光価値の創出や、美保関灯台と灯台の立地する地蔵埼の魅力を発見してもらうことを目的として、10月26日(日)に「美保関灯台が目覚める朝!岬の物語と灯台モーニング」を開催いたしました。
空も海もどんよりとした朝、ひんやりした空気の地蔵埼に、49人の参加者が集まりました。
「美保関灯台が目覚める朝!岬の物語と灯台モーニング」は、美保関灯台と地蔵埼の魅力を発見するガイドツアーから始まりました。ツアーのガイドを務めるのは、出雲国ジオガイドの会のメンバーです。参加者は2組に分かれて、灯台周辺の見どころを巡りました。
美保関灯台は歴史的文化財的価値の高い灯台であることや、地元の森山石が建設資材として使われていること、また地蔵埼は狭い場所に神話、自然、軍事、文学など幅広い魅力が詰まっていることについて、参加者はガイドから解説を受けました。沖合4Kmにある島は、出雲神話に出てくるえびす様が鯛釣りをしていた場所と言い伝えられる事や、地蔵埼は「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」のジオサイトに含まれ、大山隠岐国立公園にも指定されるなど自然の魅力にあふれていること、また与謝野鉄幹・晶子夫妻が美保関にも立ち寄り、歌を詠んだことなどについて、皆が興味を持って聞き入っていました。
参加者からは、「初めて知ることがたくさんあった」「素通りしていたところをガイドしてもらい、新しい発見があった」などの感想が聞かれました。
美保関灯台にはカフェがあり昼間に訪れる人は多く、また夜には、漁火を眺めながら食事を楽しむイベントなどが実施されています。しかし、朝の灯台を楽しむイベントは、ほぼ前例がありませんでした。本イベントは、灯台で朝食を楽しむという新たなイベントの創出により、夜の象徴と言える灯台の、朝の魅力を発見しようという試みでもあります。
朝食の提供には、近隣の境港市からシングルオリジンにこだわったコーヒー店が協力し、コーヒーやチャイなど5種類のドリンクを提供。サンドイッチは、スモークサーモンのベーグルサンドやラザニア風クロックムッシュ、クスクスを使ったサラダなどのプレミアムな朝食が提供されました。
灯台職員の旧官舎を改装した見晴らしの良いカフェスペースで、朝食を楽しんだ参加者からは「フードもドリンクも美味しくスタイリッシュ」「とてもおいしく、また参加したい」などの感想が聞かれました。
本イベントは、同日開催の美保関灯台内部の特別公開と、美保関中心部から灯台へのグルーンスローモビリティ無料体験乗車と連動し、地域の賑わいを創出することも目的として開催。灯台と周辺エリアの観光価値向上につなげることも目指しました。
午後からは雨が降りましたが、灯台内部の特別公開には350人以上が訪れ、美保関中心部にも賑わいが見られました。美保関は、今期のNHK連続テレビ小説で描かれる明治の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が3度訪れた地でもあり、地元では観光客増加に期待を寄せています。
イベントの目的のひとつであった日の出鑑賞はできませんでしたが、イベントの参加者からは「インスタ映えしそうなオシャレな朝食を若年層へアピールして、地元に興味を持ってもらえるきっかけになればと思う」「ここは有形文化財と古事記神話が重なる貴重な地だと思う。 ジオパークと八雲の好きな古事記を絡めた観光客誘致を期待している」など、美保関灯台や地域に対する思いのこもった感想が寄せられました。
| イベント名 | 美保関灯台が目覚める朝!岬の物語と灯台モーニング |
| 参加人数 | 49人 |
| 日程 | 2025年10月26日(日) |
| 場所 | 松江市美保関町美保関 |
| 主催 | 美保関灯台利活用コンソーシアム |
| 協力 | 出雲国ジオガイドの会 |