漁港のゲストハウスかたゑ庵　コロナ禍での挑戦 | 海と日本PROJECT in しまね

松江市美保関町の静かな漁港の街、片江地区にあるゲストハウスかたゑ庵。
漁師街ならではの素朴なおもてなしを、癒しを求める都会人や訪日外国人に提供して、地域活性化にもつなげようと、令和元年にオープンしました。
オーナーはホームステイ受け入れなどの国際交流経験およそ4０年の青戸裕司さんです。
しかしオープンの１年後には、コロナ禍により外国人客はおろか国内旅行も自粛が叫ばれ、いきなりの経営難に。この逆境の中、現在は地元をターゲットにした企画を打ち出してコロナに立ち向かっています。

海と古民家をいかしたフォトツーリズム
　
この春から始めたのは、地元のカメラマンと協力した格安の撮影プラン。
かたゑ庵の建物は築100年の元民宿で、この建物の風情や美しい浜辺を背景に、ポートレートを撮影するプランです。
また、予約制で受け入れるシーカヤック体験では、洞窟や狭い岩場、シーカヤックでしか行けない入り江に案内。この入り江に上陸してコーヒーを楽しむ海カフェも人気を集めています。
他にも、ワインや地酒を海の中に沈めて熟成させるプロジェクトや、ハーバービューの部屋を使ったテレワークプランなど、この1年様々な企画を打ち出してきました。

漁師街の「民宿」プロジェクト

かたゑ庵ではオープン当初、魚を中心とした家庭的な夕食を、地区の家庭で提供する「民食」を柱にした宿泊プランを特色にしていました。
このプロジェクトを通して、地域の活性化にもつなげようと、かたゑ庵が地元の家庭とのパイプ役を担う計画でしたが、コロナの影響で、民食を再開できるのはまだ先になりそうです。
　
顔に墨を塗り合うユニークなとんど行事、墨付けとんどの残る片江は、歩いてすぐの美しい砂浜や早朝の水揚げ見学、夜になれば星の観測も楽しめます。
オーナーの青戸さんは「豊かな自然や人との出会い、普通の旅行では味わえない感動がここにある」と話します。
感動あふれる日常を取り戻すまで、アイデアを練ってチャンスを待ちます。 

かたゑ庵HP→　https://kataean.com/（カヤック体験が紹介されている動画もあります）