離島で学ぶ海の未来 隠岐の島発見隊
7/30日から2泊3日の行程で始まっています。
今年の舞台は、隠岐諸島最大の島、隠岐の島町。
総勢24名の子供探検隊員と海を感じ、海を考える3日間が始まっています。
2日目は海岸のごみ拾いからスタートしました。
でも、ただ、ごみを拾っているのではありません。
大切なのはごみを集めた後です。
集めたごみを原料や発生元(どこから来たか)ごとに分別します。
特に多かったのは、家庭から出たビニール、ペットボトルでした。
さらに、一見きれい海の砂にも細かいプラスチックなど石油由来の物質が含まれることを実験で確認しました。
ビニール袋は海面に浮くとクラゲと間違って他の生き物が食べてしまう事を知った子どもたちは、
マイバックを使うことやペットボトルのリサイクルを徹底することなど、まずは、自分で出来ることはすぐに始め、
身近な人にもビニール・プラスチックごみを出さない工夫をするよう呼びかけることにしました。
午後からは、磯の観察をしながら、大学の先生の指導のもと、浅瀬で暮らす生き物を採取しました。
特に注目したのは、海藻類の中で育つ生き物です。
隠岐の島は国内でも多くの種類の海藻が自生していることで知られています。
その海藻の中では、小さな生き物が共存しあっていました。
しかし、子どもたちが高い場所から海をよく観察すると、海藻が茂っていない場所が多く見られました。
今、温暖化など環境の変化で海藻が枯れているといいます。
それは、小さな生き物たちの生きる場所がなくなることを意味します。
温暖化をはじめ、ちょっとした人工物が潮の流れを変えることで、海藻が枯れることもあるといいます。
国内屈指の海藻の自生地でのワークショップを通じて、
子どもたちは、改めて、豊かな海を浅瀬の海藻が支えていることを知り、
海藻が茂る海を目指して、環境問題の解決に取り組んでいく決意を新たにしました。
海の中には、少し変わった見た目や特徴の生き物がたくさんいます。
複雑な進化の過程の多くが海の中でおきているからでしょうか。
それら変わった生き物も、私たちと同じ生命を持っています。
この日の学習の最後はイカの解剖。
白くて、細長くて、手、足、目、口がどこかすぐにわかりませんよね。
そんなイカを先生と一緒に解剖してみると・・・
心臓はもちろん、胃など私たちと同じように臓器を持ち、生き物の体の仕組みが出来ていることがわかりました。
生きるために、進化の課程で私たち人間とは違う道を選び、姿・カタチは違いますが、同じ生き物です。
磯で見た貝類や小さなカニなども、みんな私たちと同じ〝命〟を持っています。
海は、そんな命の集合体です。
そう考えると、海を汚すような事は出来ませんよね。
解剖を見るのも経験するのも初めての子どもたちがほとんどでしたが、
イカの体から〝命〟を感じた子どもたちは、きっと、海を守るリーダーになってくれるはずです。