全国的なスルメイカの不漁が港町の名物「焼きイカ」に影を落としています。
松江市美保関町は、えびす様を祭る美保神社の門前に広がる港町。港を歩くと焼きイカの香りが漂ってきます。
地元でも「美保関といえば焼きイカ」と言うほど、港町を楽しむB級グルメとして親しまれています。
しかし、この焼きイカを専門に売る3つの屋台が、ゴールデンウィーク以降休業状態に。地元の観光協会によると原因はイカの不漁による仕入れ値の高騰で、地元水産市場でのスルメイカの卸売り価格は、一昨年の約3倍に跳ね上がっています。
日本海でのイカの不漁には、産卵が減っていることや海水温や海流の変化が影響しているといいます。
安くおいしく食べることができるスルメイカが高嶺の花に…海の環境は私たちの食生活と深く結びついています。
美保関で約60年続く土産物店の石倉さんは、焼きイカ屋台が何カ月も休業している状態は初めてだと話します。
石倉さんの店でも焼きイカを販売していますが、長年据え置いていた価格をやむを得ず値上げしました。焼きイカ専門の屋台が休業するのはやむを得ないと考えています。
美保関の風物詩となっている焼きイカ屋台、港町の風情が戻ってくる日が待たれます。