出雲市地合町の東地合地区で11月16日、地区の守り神である荒神社の祭りがありました。独特のしきたりを伝える祭りは、江戸時代から続いているといいます。
まずは当屋の家に地区の全世帯から19人が集まり、荒神社の鳥居と御神木に奉納するしめ縄を作ります。
しめ縄作りには独特のしきたりがあります。作業中には酒と、肴としてサバと大根のなますが振る舞われますが、当家の家族が、ひとりひとりの口に箸をはこび肴を食べさせ、酒を飲ませるのです。作業中は手を止めることが認められず、何度も何度もこの振る舞いが続きます。
このしきたりのはっきりした理由は伝わっていませんが、作業に汗を流す人を鼓舞しているのだといいます。年配者から若者まで様々な年代が一体となり、伝統のしめ縄作りは若い世代に継承されます。
途中には祝い唄も歌われ、和やかな雰囲気に包まれて作業は進みます。約1時間半で完成したしめ縄は、夕景の日本海を見下ろす荒神社に奉納され、神事が行われました。
賑やかなイベントや出店はなく、家族の平穏を祈り、地域と神のつながりを深める祭りの姿が、ここにありました。