島根県松江市の海岸では、秋から冬にかけて季節風の影響により漂着ゴミが増えるといいます。
実際に松江市の海岸を歩いてみると大量の漂着ゴミが目に飛び込んできました。
ゴミにはペットボトルや漁具、国内ゴミの他に外国語の書かれた物も混ざっています。
去年2月には県内の海岸で、ハングル文字の書かれた約1500個のポリタンクが発見されました。
しかし環境省の調査によると、長崎県や山口県では中国や韓国など外国の漂着ゴミが多いが、
日本のほとんどの海岸でみられるゴミは、国内のゴミとしています。
平成21年と22年に松江市の海岸で行った調査では、日本のゴミが45%、韓国25%、
中国9%という結果が出ています。またゴミの種類については、プラスチック類37%、流木32%、
灌木24%となっています。
多くの割合を占めるプラスチックは、細かくなっても自然分解しません。
プラスチックゴミは時間が経つと劣化し、細かいマイクロチップになり回収も難しくなります。
またゴミは安全や漁業、観光など人間に影響があるだけでなく、海洋生物の生命を脅かします。
体に絡まったり、中にはゴミとエサの区別ができずに、間違えて飲み込んでしまうこともあります。
こうした誤飲・誤食を繰り返すとゴミが胃などの消化器に溜まり、死んでしまう場合もあります。
島根県では海の日に合わせての一斉清掃など、各地で自治体や住民などによる地道な活動が
行われていますが、最近の清掃活動は漂着ゴミについて深く考える機会にもなっているようです。
去年、海士町でボランティアや高校生を中心に行われた清掃活動では、ゴミがどうやって海岸に
漂流したのかを紙芝居にして発表するワークショップがあり、「漂着ゴミがどのように発生するのか」、
「海を美しく保つにはどうしたらよいのか」などを話し合いました。また県などが韓国の中高生を招き、
県内の海岸で清掃をしながら漂着ゴミの現状を知ってもらう取り組みが行われ、
活動の継続が漂着ゴミの減少につながることが期待されています。
私たちが街でポイ捨てしたゴミについて考えてみると、川を流れて身近な海を汚していることが
考えられます。また太平洋に出てハワイやアメリカ西海岸などへ流れついている物もあります。
国や県などが漂着ゴミの対策を推進するとともに、私たち一人ひとりがゴミの発生源とならないよう
取り組む必要があり、美しい海を次世代につないでいく活動の広がりが、ますます求められています。