山陰の冬の味覚、地元で赤貝と呼ばれる中海産サルボウガイの出荷が最盛期を迎え、地元の道の駅などで販売されています。冬の風物詩として食卓にのぼってきた赤貝は、おせち料理の食材としても親しまれ、甘辛い煮つけは酒の肴にぴったりです。
昭和30年代の最盛期には1000トン以上の漁獲量を誇った中海の赤貝は、干拓事業や汚水による環境悪化で絶滅寸前に追い込まれましたが、中海漁業協同組合などが復活を目指して養殖に取り組み、徐々に漁獲量が増えています。
中海漁協によると、今年は夏の日照りでエサとなる植物プランクトンを含んだ川の水の流入が少なかったことなどから、漁獲量は去年の半分程度の3~4トンを見込みますが、味や食感は上々ということです。
今季の販売初日となった12月15日、道の駅本庄(松江市)では、地元産の赤貝を目当てに販売開始2時間前から行列ができ、用意された100kgは約10分で完売したという人気ぶり。価格は500g750円~1100円と県外産の2~3倍ですが、吊るしたカゴに入れて養殖することから泥噛みが少なく、調理しやすく味が良いと、リピーターも多いといいます。
道の駅本庄では、赤貝の料理経験がない人でも気軽に購入できるよう、煮付けやみそ汁など調理法を書いたチラシを置いたり、オリジナル商品の赤貝めしの素を売り出すなどして地元産を後押しします。
販売は本庄のほか、道の駅あらエッサ(安来市)、大根島産直市(松江市八束町)、松江市のスーパーマーケットチェーン・ラパン。中海漁協では12月末までの出荷を予定しています。