日本遺産に認定された北前船の寄港地から、全国15市町の小学生が、北前船が地域で築いた文化や、港の役割について学ぶ「北前船こども交流拡大プロジェクト」。
島根県浜田市では、松原小学校の5年生25人が、2日間にわたる教室でのワークショップに続き、この日は外に飛び出してフィールドワークを行ないました。
真夏の日差しが照り付ける中、まずは日本遺産に認定された外ノ浦の街並みを見学しました。外ノ浦は江戸時代、風待ちや瀬戸内方面への中継点として、多くの船が入港し栄えた港町です。児童たちは外ノ浦の文化や歴史について研究する郷土史家の楫ヶ瀬孝さんの話に、熱心に耳を傾けました。
また児童たちは、外ノ浦近くの日和山に登りました。日和山は、船乗りが出航を判断するための日和見に利用した港に近い山で、この山の日本海が広く見える場所に“日和山方角石”が設置されています。“方角石”は、船乗りたちが日和や風の方向を確かめるために使用した石で、海上交通に大きな役目を果たしていました。この石は、そこが北前船の経由地であったことを物語る貴重な石です。児童たちは外ノ浦の街並みや方角石などを見て、北前船に理解を深めていました。
フィールドワークを終えて、参加者からは「日和山方角石を実際に見ることができてよかった」「家に帰ったら家族に話をしたい」といった感想を聞くことができました。
今回のワークショップで学んだことは9月に、こども新聞にまとめる予定です。