10年に一度開催される日本三大船神事の一つ「ホーランエンヤ」が、松江市を流れる大橋川などを舞台に18日(土)に開幕します。370年の歴史を持つとされる神事は、約100隻もの船が連なる勇壮かつ華麗な船行列が見どころです。
ホーランエンヤは、松江城内にある城山稲荷神社の御神霊を約10km離れた阿太加夜神社へ船で運び、五穀豊穣などを祈って戻る9日間の神事で、この地域が天候不順に見舞われ凶作が危ぶまれた1648年に始まった式年祭です。後には、嵐に遭った神輿船を馬潟村の漁師が助けたことをきっかけに、5地区の櫂伝馬船が神輿船の護衛をするように加わりました。櫂伝馬船を繰り出す地区を五大地と呼び、それぞれ特徴ある船や踊りにも注目です。
五大地では半年前から稽古が行われてきました。神事の主役ともいえる踊り子を担うのは、主に地区の若者です。中でも一番船を務める馬潟地区では踊り子を小中学生が担っています。
舳先で櫂を振り回し勇壮に踊る「剣櫂」、船尾には上半身をそり返して采を振る女形「采振り」、そして花笠や帽子をかぶった「太鼓」。子どもたちは伝統のホーランエンヤを受け継ぐため、師匠と呼ばれる地区の大人に指導を受け練習を重ねてきました。
伝統は各地区で脈々と受け継がれ、船を取り仕切る伝馬長のもと、ホーランエンヤの唄声に合わせ踊り子や漕ぎ手が一体となり船行列をつくりあげます。
絢爛豪華な時代絵巻とともに地区の誇りを掛けた晴れ舞台、ホーランエンヤまもなく開幕です。
5月18日(土)渡御祭 … 城山稲荷神社の御神霊を阿太加夜神社まで船で運ぶ
22日(水)中日祭 … 阿太加夜神社で7日間の祈祷とその中日
26日(日)還御祭 … 阿太加夜神社に安置された御神霊を再び城山稲荷神社に送る