レポート

国の重要無形民俗文化財 大田市五十猛町の”グロ”

グロ

囲炉裏を囲み豊漁と無病息災を祈願

  1. 竹などで造る”グロ”  屋根にはゴザ
  2. ”グロ”の中の囲炉裏
  3. 持ち寄った餅などを焼いて食べる

島根県大田市五十猛町大浦地区に伝承される「グロ」を紹介します。グロは歳徳神を迎え一年間の豊漁や無病息災などを祈願する小正月の行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。1月11日、海辺に漁業者など約40人が集まり、高さ約20mの竹を支柱に歳徳神を迎える直径約8mの仮屋「グロ」を設けました。グロとは行事の名称であると同時に竹などで造った独特の小屋をさす呼称です。13日土曜日には入れ代わり立ち代わり人が訪れ、囲炉裏で餅やスルメを焼いたり、酒を酌み交わしながら歓談して過ごしていました。グロの囲炉裏の火にあたり焼いたものを食べると、一年間は病気にならないと言われます。以前は漁業の情報交換をしたり、子供たちに地域のしきたりを教えたりすることもグロで行われたということです。正月飾りなどとともにグロが焼き払われるまでの数日間、地区の人々が囲炉裏を囲んで過ごしながら豊漁と無病息災を祈りました。 この行事は漁師たちによって伝承されてきたもので、世話役を務めた辻さんによると50年ほど前には複数のグロがあったといいます。現在は地区全体で一つのグロを作り行事が続けられています。この地区出身で行事に合わせて帰省した男性は、「ふるさとを離れて暮らし、素晴らしい伝統文化が残っていると気づいた。これからも続いてほしい」と話していました。

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